君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜




「それが、明日には着くそうなんですよ。
聞いたら、飛行機が苦手みたいで11時間かけてフェリーでやってきます」



「フェリー??」


きゆは驚いて、そう叫んでしまった。
この島の住人は東京方面へ行く時には、隣の島まで高速船フェリーを使い、そこから飛行機で行き先に向かう。
確かに飛行機はジェットタイプではなく小さなプロペラ機だけれども、それでも10時間以上船に揺られることを思えば数倍楽だ。

それなのに、フェリーで来るなんて…


「向こうの港を夜の10時に出て、こちらには朝の10時前に着く便です。

じゃ、そういうことなのでよろしくお願いします。

あ、それと、明日の朝は先生のお出迎えがありますので、足立さんも港に来てくださいね。

なんせ急なので横断幕とかもちゃんとしたものを作れるか微妙なんですが、とにかく、医者の先生がこの島に赴任してくれるなんて滅多にないことなので、盛大に迎えてあげようと思ってますので、よろしくお願いしますね」