母side

1月7日、この日私は診察室にいた。

りおのお見舞いに来たところを、先生に呼び止められた。

「それで、話とは何でしょうか?」

「りおさんの症状についてです」

「は、、はい」

「りおさん本人の身体にも、少しずつ症状

が現れつつあるようですが、これから先、

頭痛・吐き気が激しくなったり、手脚が動

かしにくくなったり、意識障害や視力障

害・言語障害が起こる可能性があります」

「えっ、、、障害?」

「りおさんの腫瘍は、少しずつですが、確実に大きくなっています」

「そ、、そんな!?」

ショックで私は、それ以上言葉が出なかった。

『りおに何て伝えよう』そればかり考えていた。

「先生、このこと、、りおには?」

「すいません、伝えました」

「えっ、、、何でですか?
何で伝えたんですか?」

「この間、様子を見に行った時に聞かれたんです。

『最近頭がクラっってしたり、手に違和感を覚えることが多くなったんですけど、私の病気と関係あるんですか?』と、、、」

「そうだったんですね。

そうとも知らず、すいません。
怒鳴ってしまって、、、」

「いえ、私のほうこそ勝手に伝えてしまい、すいません」

そう言って先生は、申し訳なさそうな顔をした。

「そんな顔しないでください。

もう大丈夫です。

きっとあの子も、自分のこと知りたくて、先生に聞いたんだと思います。

だからもう、大丈夫です」

そう言うと、先生は一言お礼を言った。

そして私は、診察室を後にした。