12月21日
父の死から2週間がたった。
最近になってやっと、母と私は父の死を受け入れはじめた。
現実逃避をしていた私も、『現実を受け入れよう』と思い始め、
母も前へ進もうと、父の遺品整理を始めたらしい。
『コンコン』
「はーい」
「入るわよ?」
「うん」
「今日はね、貴女に渡すものがあって来たの」
「渡すもの?」
「そう、これよ」
そう言って母は、バックの中から白い封筒を取りだした。
「読んでみて」
私は母から、封筒を受け取り、封を開けた。
「!?」
私は、思わず驚いた。
封筒の中には、父からの手紙が入っていた。
早速私は、手紙を読み始めた。
りおへ
18歳の誕生日おめでとう。
誕生日を迎えられたこと、本当に嬉しく思う。
お前は、姫(ひいな)のために、本当に一生懸命『癌』と闘ってると思う。
母親として、一人の人間として、強くあろうとするお前は、きっと誰よりも強い。
その心の強ささえあれば、大丈夫だ。
この先、どんなことがあろうとお前なら、乗り越えられる。
俺はそう信じてる。
でも、一人じゃどうしようもないっていう時は、俺や母さんを頼れ。
俺達はいつでも、お前の味方だ!
父
不器用だけど、愛の詰まった父からの手紙。
この手紙で初めて知った父の想い。
「これ、どこに、、、?」
「机の中よ。
きっと、お父さんのことだから、誕生日当日に渡すつもりだったのよ」
「お父さん、、、こんな形で、、渡すなんて、、、ひどいよ」
直接、お父さんから渡してほしかったのに、、。
それなのに、こんな形でなんて、、、嬉しくないんだから。
「お父さんのバカ」
そして私は、手紙を握りしめ、涙を流した。
その二日後私は、18歳になった。