「だって……」 リアムに会えなくなるんだもん。 言いかけたその言葉は声にならなかった。 リアムは俯いている私の顔をあげさせて 触れるだけの優しいキスをした。 「……じゃあな」 そして、リアムはスミレを連れて走って行ってしまった。 最後に見たリアムの顔は優しい顔をしていた。