心配しなくても戻るのに。


たとえ逃げ出したとしても逃げ切れない。


「おいで。ツツジ、リナリア」


「にゃー」


2匹は私のもとに来る。


ツツジとリナリアを見るとある人を思い出してしまう。


もう忘れなくちゃいけないのに。


「これじゃいつまでたっても忘れられないじゃない」


「……セリナ様?」


「何でもないわ。気にしないで」


「…はい」