「‥‥おいι部屋間違えたんじゃねぇかι」

「何言ってんの!!こここそが我らの神聖なる部室だよしゅーちゃん!」

「神聖って‥」

「せんぱーい!新入部員連れてきましたー!!」

「はっ!?」

人の話を聞かないどころか,突然の新入部員扱いに驚く秀。

すると壱紀の声に反応する影。
二段ベッドの上段からむくりと誰かが起き上がった。


「ふあぁ~‥,なんだ壱紀か。」

あくびをしながら,その人物はダラダラとベッドの梯子を降りると,中央のソファに座った。

壱紀が先輩と呼んだからには三年なのだろう。茶髪を無造作に整え,おしゃれなお兄さんと言った雰囲気の男子生徒だ。


「新入部員て後ろの彼?」

男子生徒は壱紀の背後に視線を移す。

「はい!!こいつ転校してきたばかりなんスよ♪何処の部よりも先に確保してきました!」

「おいちょっと待て!!勝手に話進めんなよ!誰も入るなんて言ってねーぞ!」

「え!?入んないのしゅーちゃん?ここまで来て!?」

「ここまでって,お前が勝手に連れてきたんだろ!」


「んだよ,また壱紀が拉致ってきたのか。」