「まーまー♪細かい話は置いといてさ。ちょっと着いて来て欲しいとこがあるんだよ。」

壱紀は秀の腕を掴む。

「な,なんだよι」

「良いから着いて来てよ♪」














─────────
壱紀に無理矢理連れて来られたのは,何やらドアがたくさんある建物の前。
部室群であろう。
それぞれ部名が書かれたプレートが取り付けられている。
壱紀はその中でも,一番奥にある一室へと誘った。

一つだけ付け替えられたようなプレートに,派手な落書きがされている。

「‥F部?」

秀は謎の部名に疑問を抱いていると,壱紀が突然そのドアを開けた。










………。




開けた室内はまるで異空間だった。
部室にしては広すぎる部屋の中は、通常有り得ないものばかりが溢れていたからだ。
二段ベッド,ソファにテレビ,自動販売機まである。