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授業の終わりを告げる音楽が校内に響き渡った。


「ふあ~終わったぁ。」

秀はあくびをしながら背伸びをした。
するとこの時を狙っていたかのように,クラスの女子達が秀の元へ集まりだした。


「ねぇねぇ,慶羽第一から来たんでしょ?校則超厳しいってホント?」

「彼女いるの~?」

「何か分からないとこあったら聞くからさぁ。」

突然の質問攻めに戸惑う秀。

「放課後暇ならウチらと一緒に帰んない?」

「良かったら部活探し付き合うよ!」


「‥‥いや,俺これから用事あるし‥ι」

我ながら下手な嘘をついたと思った。
だが女子達は狙った獲物は逃がさないようだった。
スルリと秀の両サイドに周り込むと腕を掴む。

「さぁ~さ行こ!」

「ちょっと!何勝手に決めてんの!?秀君はウチらと帰るんだよ!」

「はあ?ウチらに決ってんじゃん!!」

「何-!!」


次第に女子達の中で言い争いが始まった。


『…よし,今のうちにι』


秀は器用に女子の輪から抜け出すと,そのまま逃走を図った。