「あ~皆静かに。席につけ。」

教師の声に生徒達は静まった。


「あ,君入って。」


教師に手招きをされ教室に入ったのは転校生『森月秀』だ。

クラス中の視線を浴びながら,やや緊張気味に秀は口を開いた。


「慶羽第一高校から転校してきました。森月秀です。‥宜しく。」

「彼は親御さんの都合でこの街に越してきたんだ。分からないところがあればいつでも教えてやるからな。それと皆,仲良くやれよ。森月の席はあそこだ。」

教師は窓側の一番後ろの席を指差した。

秀は教師に軽く一礼すると指定された席へと足を進めた。
秀が通り過ぎる間の席にいる生徒は秀を目で追う。
わざわざ振り返る者までいた。