♪♪♪♪~

昼休みを告げる音楽が鳴り響く。

「しゅーちゃん,プラザ行こうよ。紹介したい奴いるんだ。」

弁当を用意しようとする秀の元へ壱紀がやってきた。

「プラザ?あのガラス張りのドームの事か?」

「そう!あそこは大きな休憩場所なんだ。早く行かないと席無くなっちゃうからさ!」

「分かったよ」





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ザワザワ…


プラザはもう既に生徒で賑わっていた。南と北の両校舎に挟まれる形で位置しており,学年関係なく,特に昼休みは混雑する。
売店が何店か並び,北校舎側には大きなTVスクリーンがありお昼のテレビ番組が放送されていた。

「すげ-な,天井たけ-!」

学校の常識を覆すような光景に秀はただ驚いていた。

「壱紀-!!」

中央の緑に囲まれたスペースから誰かが手を振っている。



「遅いよぉ。先輩達ばっかで怖かったんだから」

席を確保していたのは,ある女子生徒だった。
長い髪を二つに結わえ,壱紀と同じタイプの派手な子だった。

「こいつは2-Aの『弓近 逢(ユミチカ アイ)』。F部員だよ。」

「宜しくね♪しゅーちゃん♪」


…壱紀タイプかι


「宜しく。」

「確か,女子に追っかけ回されてた人だよね!」
「う‥ι」


秀は嫌な過去を思い出した。

「他の部員には会ったの?」