「もしかして森月秀君?」


突然背後から呼び掛けられ振り向くと,先ほど真川に言われた通りの『かなりの美形』がそこにいた。
どこか中性的な印象,男とは思えないサラサラの髪に,情報には無かった眼鏡が一層優美感を引き出していた。

「あの‥えっと‥」

秀は突然の事に言葉が詰まった。

「もしかしてF部の部長の‥」

「ああ。部長の『聖 奈央(ヒジリナオ)』だ。宜しく。」

「こちらこそ。でもなんで俺のこと‥」

「ついさっき真川先生に会ってね。すぐ分かったよ。‥でも悪かったね,話によれば壱紀が強引に誘ったそうじゃないか。」

「まぁιでも大丈夫ですよ,顧問の先生にも話してきたし。」

「そうか。良かった。新しい部員なんて久し振りだから嬉しいよ。俺は生徒会の仕事があって,しょっちゅう顔は出せないけど何かあったら相談乗るから。」

「はい。ありがとうございます。」