それは写真だった。

路地裏で男に囲まれて傷だらけの女。
その目に映るのは恐怖、絶望の一色だった。

「これは?」
「菊から送られてきたのよ。防犯カメラの映像よ。」
菊は桐生組の情報屋。菊の手にかかれば探し出したい人物は5分もあったら見つけれる。

「これ、貰うぜ。」
そう言って俺は写真をポケットに入れた。
「あぁ、気をつけろ。」
親父の声を背に部屋を出た。