「おい待てや!」
繁華街を少し入った路地裏は真っ暗。
そんな所で響くのは黒服の人達の怒鳴るような声。

「...っ、はあ、はっ」

私は後ろを振り向かずに必死に逃げる。
私の体はボロボロで。
膝は転けて擦り傷が沢山出来ている。
ひじからも血が滲み出る。

路地を更に曲がったところで私は息を殺して壁に張りつくように隠れた。

「おい、どこいった!でてこい!」
「探せ。まだここら辺にいる。坂上希を探せ。」

私の頭上で聞こえていた声はどんどん遠ざかっていく。

ふぅっと息を吹き出すと一気に力が抜けた。
すると私の意識も抜けていった

こんな生活を続けてもう2週間たつ。