「あいつ絶対、愛海のこと好きよー!!」



ふたりの会話を横で聞いていた響子が言った。



「は!?あるわけないって!!なんで!!?」




「だってー・・・雄大って女の子には優しいんだよ?愛海だけにあからさまにあんな態度とって・・・素直じゃないのね」



それを聞いて愛海は唖然とした。


今までとってきたあの態度が好きな子に対する態度か、と。



「もー・・・そんなこと言われたら意識しちゃうじゃん!今日、放課後アイツの手伝いしなきゃなのにー!」



「じゃ、そんとき確かめてみなさいよ。」



「うっ・・・響子の意地悪~!!」



「はいはい」




考えているうちにあっという間に放課後になった。




『愛海・・・一緒に帰ろ・・・?』


悠大にぼそっと耳元でささやかれた。



『ご・・・ごめん、今日はちょっと用事あって・・・』


『何?何かの補習とか~?』


『ち、違うよ!ちょっと係りの仕事頼まれちゃって』


『ふーん・・・俺、待ってるよ?』


『いや、いいの!結構時間掛かりそうだし。』


『・・・ん。分かった。じゃ明日な。』


『・・・ごめんね・・・!』


『いやいやいいって!じゃな』



内緒言葉で話し終わった後、悠大は暫くは動かなかった。




――愛海、俺は気づいているんだ・・・

  
  雄大が愛海を見つめ、頬を染めていることに・・・


  だから今、雄大と睨み合っていたんだ


  狂おしいほど愛おしい君を挟んで――