Seven days【短篇】


「ほら」と、携帯に撮ったクロの画像を開いてみせる。俺の携帯は写真に撮った日付と時間も表示される。昨日の日付と20:24という時刻を見た留美はちょっとだけ眉根を寄せて

「この子がクロちゃん? かわいい~」

 次の瞬間にはコロリと機嫌が直っていた。どうやら表示された時刻を見て納得したらしい……そのくらいに俺らしき奴を見かけたのだろう。

「多分人違いだよ」という俺に「うん、そうね」と笑って、クロに会いに来てもいいかと訊ねた。

 もちろんと快諾すると……放課後家に行くからと言いながら手を振って校門の中へと走っていく。はずむツインテール。やっぱり可愛い。

 留美が来てくれるという楽しみもあって放課後がとても待ち遠しかった。

 終礼が終わると同時に教室を飛び出し、家へ帰る。

 帰って部屋へ駆け込むと、クロがよたよたと歩いてお出迎えしてくれた。随分元気になったようだ。子猫だから回復も早いのだろうか?

 しばらくして遊びにきた留美の膝にちょこんと乗って喉をゴロゴロ鳴らす。

 それに喜んで終始ご機嫌の留美。すっかりクロに夢中になってしまって、いちゃいちゃする暇もなかったけど、可愛い笑顔を満喫できたし誤解も解けたようだから充分幸せ。

 夕飯前に家に送って、留美のマンションの前で軽くキスして別れる。

 明日は塾だから来れないと、残念そうにちょっと頬を膨らませた顔がまた可愛くて……それを思い出してニヤニヤしながら夜ベッドに入ると、クロが布団にもぐりこんできた。

 胸元が暖かいのが気持ちよくて、いい気分で眠りにつく。





 だけど……