Seven days【短篇】



 帰ってみると、クロの傷口はもう乾燥していて、化膿してるかんじもなく、これなら治りも早いだろうと……包帯をかえてやり、ついでに携帯で写メを撮る。なかなかかわいく撮れた。

 ミルクのほかに煮干もつけてやり、それをクロがとびついてかじりつくのを眺めていたらなんだか眠くなって、そのまま寝付いてしまったようだ。

 目を開ければもう朝。あわてて飛び起きて制服に着換えて階段を駆け下りる。

「ごめん母さん、寝坊したっ。クロにごはんやっといてっ!」

 台所に顔を出してそう言い残して玄関を飛び出す。

 特に何もしてないのにあんな風に寝落ちしてしまうとは不覚。疲れてたのだろうか?まだ水曜日……週の半ばだというのに……

 通ってる高校へ行く途中。少し手前の女子高の前を駆け抜けようとして

「大吾君!!」

 知った声に呼び止められ振り向くと、栗毛のツインテールが目に止まる。

「留美?」

 隣の女子高に通う、俺の彼女。何故か校門の前で腕組みでつったってる。俺を待ってた?にしてはやや不機嫌そうなのは気のせいだろうか……

「ねえ、昨日何してたの?」

「え? まっすぐ家に帰ってずっといたけど」

「嘘! 私見たよ。大吾が来れないって言うから友達とマック行ってたら、店の前歩いてったでしょ? どこ行ってたの?」

 全く身に覚えがないことだ。だが、留美は自分の誘いを断った俺がどこかに行くのを見たという。それで機嫌が悪いのかと思い当たり、そういえばとポケットをまさぐる。