「はい、質問!」

「どうぞ、ゆー」

「なんでそれを今更言うの?…、まさか春野ちゃんと関係してる?」

「…、昨日元メンバーに会ったんだよ。春野さんと帰ってた時に」


あの時はビックリして、どうしようかと思った。


でも何より驚いたのは、春野さんがあんな面と向かって男子に怒鳴った事。

あの男性恐怖症の春野さんだと言うのに!


「何を迷ってたのか知らないけど、どんな過去があっても蒼は蒼でしょ?」

「…陸!」

「それにそれを春野さんに…、言ったのは蒼自身じゃん」


そうだ。

春野さんは春野さんであるなら、俺だって俺である。


過去にとらわれちゃいけないんだ!


「てか蒼は羨ましいよ。僕は春野さんに何も出来ないのに…」

「……。」

「陸なんて言ったんだ。もっかい!」

「…やだ。」


出ました。陸様のやだ攻撃

まじ、陸は女子過ぎて怖いんだって…。


深く追求しようとかは思わないけど、何を言ったのかはやっぱり気になる。


その時予鈴のチャイムが鳴った。


「さ、教室に戻りますか」

「だなー」


それは、本格的に秋が終わりにさしかかった頃の事。


すれ違いと、後悔と、嫉妬と…?


この先には何が待ち受けているのか、誰も知らずに、少しずつ平和が崩れていく頃でもあった。