あれから中間テストがあり、その事をすっかり忘れていた俺達はみんな必死で勉強した。


とは言っても神坂さんは普通に勉強していたと、春野さんが言っていた。


結果としては山崎さんの赤点が2つ。他の人は赤点がなかったけど、陸と春野さんはそれぞれ文系、理系が赤点ギリギリだった。


俺も結構下がったんだよねー。

危なくは…、ないんだろうけど


校門の前に居るのは…、
春野さん?!


「春野さんっ…、こんなに夜遅いのに1人で帰るの?」

「え、あ、はい。」

「はぁ〜…。とりあえず一緒に帰ろう。てか、これからずーっと一緒に帰るよ!じゃないと春野さんに何かありそうで……。」

「は、はい……。」


怖いな〜

春野さんって本当に天然だ。


…って、俺は春野さんに何といった?!

ずーっと一緒に帰ろう的な事言ったよね?

それって……、
すすすす凄い事なんじゃ…?


「水永先輩、顔赤いですよ。熱でもあるんですか?」

「いや…、天然でこれやられると…。」

「へ?」


春野さんは前に『ずっと天然を装って演じてた。』って言ったよね?


あれから変わってない感じがするのは俺の勘違い。それとも正解?


「春野さん、演技辞めたんだよね?」

「はい。辞めましたよ!」

「……、変わってないから」

「えええええええ!」


やっぱり無自覚なんだね…。


それはそれでいいんだよ、可愛いし、天然で…。でも、他の人にそんな事しないで欲しいわ。


「変わってないんですかぁ〜」

「…うん。」


今、その上目遣いはやめて欲しい。