「優せんぱーい!」

「水永先輩も一緒なんですね」

「よーし、今日は4人で帰ろー!」


…、機嫌いいなゆー


てか、あれだろ。

出し抜いたってか…。

楽しいんだろうな、ゆーの奴


「雪ー、七瀬先輩!」

「華奈…ってみんな居るし」

「さ、陸も雪も一緒に帰ろー!」

「はぁ…。」


何だかんだで全員そろってしまった俺達。みんなで一緒に帰る事にした。


『青春は人生で1度しかない。その青春をどう楽しむかは自分次第だから…。後悔しない道を選ぶ必要がある』


昔俺の爺さんが言っていた。あの時は分からなかったけど今なら分かる気がする。


後悔しない道…、か……。

ちゃんと選べてるのかな?

俺はあの時よりも進めたのか。


「水永先輩!早く、帰りましょ!」

「…うん。そうだね春野さん」


進めて居なくてもいい。

ここから進めれば…!



そう決意した秋の夜。


その日は静寂でとても穏やかだった。

あわよくばそんな日がずっと続けばいいと思っていた。


だけど秋最後の嵐はまだ…、


俺達の元に来ていなかった。