そして小林とは嫌な空気が流れたまま時は過ぎた。


俺が元ヤンと言う事はゆーや陸にも言えずに未だ小林以外は誰も知らない。


「今年もやって来たねー、借り物競争。去年はノリでやったけど…今年は拒否ったからな〜」

「ゆーは楽しそうなの好きだからね」

「どうなると思う、蒼」


……!


今はあまり元ヤンの事に気を使ってられなそうだな…。


それにうちの借り物競争はほんっとに悲惨だからな〜…。


「何人告られるかね」

「あーね、どうなるんだろ…。でも、蒼とかめっちゃ告られそう」

「え、全力で拒否りたい…」


そう。


うちの高校の借り物競争のお題には好きな人がある。


そこまでは定番…?なのかも知れないがそのカードは300枚中50枚も入っている。


去年はゆーが好きな人のカードを当てたのだが…、天然を交わして男子と走ると言う“伝説”を作った。


ま、俺はリレーだったから関係ないけど

足が早くなきゃ借り物競争やってた…。

危ない、危ない…


「てかゆーも陸も告られるんじゃない?」

「生徒会長には告らないってルール作って欲しかった…」

「それ差別だわ!!」


陸は本当に嫌いそう…。

でも陸を好きになる人ってこういう公衆の場所で告白とかしないような人な気がする


なんとなーく、なんだけど


そしてアナウンサーの掛け声で借り物競争がスタートした。


最初から好きな人のカードは出なかったらしい。案外すんなり終わってしまった。