部活の時間は自主練の時間となった。


「春野ちゃん心なしか元気…ってか嬉しそうだね」


とニカッと笑いながら話しかけてきた


相変わらずフレンドリーな先輩だなぁ〜
それぞ佐々原先輩なんだけど…。


「嬉しそうですか…?」

「何かあったー」

「へへへ。秘密です」


“嬉しい”


それは多分、水永先輩に恋をしているから。恋をすると女の子は変わるって聞くからね


祈音もそうだった。

誰でも話しかけに行った祈音が花火大会に 誘うのですら戸惑ってたんだからね。


恋という魔法をかけられたような

そんな気分だった。


「ほんっとに嬉しそう」

「そんなに、ですか…。」

「なに、蒼にでも恋しちゃった?」

「っ……。」


佐々原先輩にこんなに的確に図星をつつかれるなんて思わなかった…。


それに私も私だ。

ここで黙ったら“はい”と言っているようなもの


「あららー…、これは、これは…」

「華奈って案外顔に出やすいね」


うぅぅ…。


仕方ないじゃん。これが初恋になる訳なんだし顔に出ちゃうのは…!


この時の私は自分の恥ずかしさに手一杯で祈音も佐々原先輩の話なんて聞いていなかった。