第3者恋

5分経ったみたいだ。前の人達が入ってから5分に次の人が入るといったルールを山崎さんがつくった


「それじゃ、入ろうか」

「はい……」


中は薄暗く今にもお化けが出てきそうだった

結構本格的だ

多分、陸なのであろう叫び声が聞こえた

それを聞いて春野さんが俺の腕を

キュッと強く握りしめた


「お化けは大丈夫なんだよね?」

「そうです。けど…」

「お化け屋敷は暗いからお化け以前の問題って感じかな?」

「は、ぃ」


奥に進めば進むほど怖さは増していく

そして、
奥に進めば進むほど俺の気持ちは加速していく


“抑えるんだ、絶対に”そう思った。けど、俺はなんでこんなにも気持ちを抑えつけているのだろう。何に恐れているのだ?


「みっともなっ」

「へっ?」

「何でもないよ」


そう言って俺は春野さんの頭をそっと撫でた。


安心してほしかったから


「へへ、暖かい。有り難うございます」

「!いえいえ」

「なんか落ち着きました」

「良かった」


や、やばい。


その笑顔はずるくないですか?

この先が心配になってきた