「おっじゃましまーす」

「あれ、祈音ちゃんじゃん。久しぶり」

「あ、唯斗くん…てか、この前会ったじゃん」

「そっか」


お兄ちゃんは変な所で抜けてる。だから色々と心配されてる


彼女居るし文武両道だからモテるけど天然タラシとみんなから言われれてる


「お兄ちゃんには関係ないからあっち行ってて」

「華奈ちゃんひどぉーい」

「知らないよ!ほら、祈音行こ」


なんで、天翔の方がしっかりしてるんだろ。私すっごい心配する


お兄ちゃんに文句ないけど、長男と次男絶対に間違えてるよ


どうやら祈音は浴衣を貸して欲しいらしい。だから親戚が浴衣を扱っている私の家に来たらしい


「おばさーん。浴衣何着か借りるね」

「はいよ」


大人っぽい浴衣の方が祈音には似合うから…やっぱり紺とか黒とか白がいい


あんまり可愛すぎても多分似合わない。かと言って派手すぎても引かれるだけ


「紺か黒か白ならどれがいい?」

「え、無難に紺とか…」

「おばさーん。紺の浴衣には何色の帯が似合います?」

「赤とか似合うんじゃない?」


と言うことで祈音は紺に赤の帯をした浴衣に する事にしたらしい。ヘアアレンジは当日にする事に決めた


羨ましいなぁー

私は大人っぽい浴衣とかあんまり似合わないから……


「華奈いつもありがとう」

「いいよ。こっちもお世話になってるから」


そう。昔からお世話になってるから……

あの時だって祈音が居なかったらきっと私は立ち直れなかった。