「優先輩本当に有り得ないんですけど!!!」

「えー、なんでー?」

「この人家に入る時にもチャイム鳴らさなかったからね……。」


そう言うとみんなは一斉にゆーを見た。

もちろん、『ないわ』みたいな感覚で。


そりゃそうだよ。


普通に考えたら……



でも、まぁ。

今回は見逃してやるよ。


「なんか微笑ましいって顔してるね、蒼」

「え?!そうだった?」

「うん。いい事あった?」

「…さーな。秘密」


悪いけど今回は、もうちょっとだけこの嬉しさを秘密にさせてくれ。


春野さんには悪いことしたけど…

俺は結構嬉しかったから。


春野さんが拒絶しなかったこと。


そして、

今の対応とかも。



「水永先輩に教わりたいです!」

「ふふ、そう?」

「はい!」