・TimeLetter『DEAR』


葉山君の予想通り、確かに私は葉山君を探し周りの助けによって辿り着けた。

美園の心配から始まり、瑞穂ちゃんの後押しによって葉山君に会えたんだ。
でも、それは葉山君の策略に嵌まったのも同じこと。


「策略とか、人聞きの悪いこと言うなよ」

「だって……」


もしも、私が葉山君に会いたいと思わなかったら?
葉山君の住所も分からずに、手紙を出せずにいたら?
色んなことが、ひとつでも違っていたら、郵便局に来ることもなかったし。
こうして、見つめ合っていることさえなかったのよ?


「そうかもしれないけど、俺達ちゃんと再会できたじゃん」


繋がれた手を引き寄せられ、改めて葉山君に抱きしめられたら。

タイムレターを届けてくれた時、十年ぶりに再会した私を見て、あの頃の気持ちを思い出したのだと葉山君は耳元で囁いた。


「あの頃より綺麗になった瀬戸川に、一瞬で心持ってかれてて。また好きになってた」

「葉山君……」

「十五の瀬戸川を知ってるけど。再会してもう一度好きになったことも、一目惚れって言うのかな」

「し、知らない」


葉山君の言葉に恥ずかしさを隠せず、私は葉山君の胸に顔を埋めた。
そんな私を、優しく包み込んでくれる葉山君の胸の鼓動が耳に聞こえてくる。