葉山君は私の手に空色の手紙を返すと、葉山君宛の手紙を広げた。
「あっ、今読まないで」
「まあまあ」
背を向けられ、手紙を読まれている間の気持ちは気が気ではなく。
内心ハラハラしていた。
手紙を読み終えた葉山君は、振り返ると私を見降ろしながら空色の手紙を指さし「何か気になること、書いてなかった?」と私に訊ねた。
気になること?
タイムレターの返事に関する返事と、瑞穂ちゃんと会ってほしいって事と。
あとは……。
ハッと気づいた私は、両手で口元を隠す。
そうだ。
あの空色の手紙には、私が誰にも話したはずの無い秘密が書かれていた。
片思いをしていた男子、葉山君の名前。
「思い当たること、あるみたいだな」
「……あの、どうして……」
どうして私が葉山君のことを好きだったと、葉山君自身が知っていたの?
心の内を知られてしまっている私は、何も言えない。
瑞穂ちゃんからは、葉山君が私を好きだった(らしい)ことは聞いたけれど。
実は葉山君を好きだったと瑞穂ちゃんに気付かれちゃっていたけど、口に出して言ったことは一度も無かったのに。
戸惑っていた私の手を、葉山君にギュッと握られ。
その瞬間、私の心の奥底にしまい込んでいた想いが溢れ出した。



