・TimeLetter『DEAR』


そっか。
配達員さんと顔を合わすことは無いよなぁ、って私も思ってたんだっけ。
でも。
あの日、私に声を掛けてくれた配達員さんが葉山君だったなんて、全く気付かなかった私もバカだなぁ。
顔を見てすぐに思い出せなかったなんて……。


「で、たまたま内勤してた時に、宛先の無い手紙が機械に撥ねられてて。差出人の確認したら、瀬戸川が書いた宛先の無い手紙だったわけ。知り合いだから俺から本人に返すって上司に頼んで手紙を預かったんだ」


悪いと思いつつ、手紙の内容を確認した葉山君は当時の事を色々と思い出し。
私が書いた手紙の返事を、卒業記念に貰った空色の手紙で書いたのだった。


「葉山君の名前、書いてくれればよかったのに」

「瀬戸川が使っていた便箋と封筒が卒業記念に貰った物だと分かったから、色違いの物を使えば気づくかなと思ったし」


自分のせいで瑞穂ちゃんと私の仲が壊れてしまった事を、悔やんでいた後ろめたさもあったらしい。
だから、敢えて「過去の瀬戸川香澄」になりすましたというのだ。


「そんな手の込んだこと……。私、全然気づかなくて。思い切って瑞穂ちゃんに会いに行った時に、この手紙は瑞穂ちゃんが書いたと思ったくらいで。マヌケにも瑞穂ちゃんに聞いちゃって」

「そっか、瑞穂に会いに行ってくれたんだ?」