「いえ!柊ちゃん本当はいい子なんです!いつもは私以外には優しいんですけど、なんで千歳先輩には……」
「…まあ僕はなんとなく嫌われた理由は予想できるけどね。」
「いや、千歳先輩を嫌いになる要素なんて無いですよ!!好きになる要素しかないです!!」
「っ、…ななは、本当そういうところだよね。」
千歳先輩は困ったように私の顔を見つめる。
…顔がほんのり赤い気がする。
「どういうところですか…?」
「まあいいや。ななは分かんなくていいよ。じゃあ俺バイト行く途中だったから行くね?」
「あ、はい!」
こうして先輩は意味深な言葉を残して去っていったんだけど…。メルと私は真冬の道で立ちすくむ。
…柊ちゃんどこっ行っちゃったんだろう。



