「オレンジジュース美味しかったよ!ありがとう!!お邪魔しました!!」
いつも通りを装って。
落ち込んでいないふりして、気づいてないふりをして、いつも通り。ヘラヘラしててうるさくてムカつくいつもの私を頑張って演じる。
馬鹿なふりをして、全部わかっていても、それでも柊ちゃんの隣にいたい。
でも今日はちょっと泣きそうだら、柊ちゃんから離れたい…………かも。
そう思って柊ちゃんの部屋をでようとドアノブに手をかけた時だった。
「柊ちゃ、どうしたの?」
何故か凄く怒っているような顔をして、私の手を掴んでいた。
でもその瞳の奥は少し揺れていた。



