「それだけ俺が優秀ってことだ」

 ふふんと鼻を鳴らす。

「その優秀な人がオイラたちになんの用なの?」

 土人形のような風貌をした人物がしれっと尋ねると、男は「うぐっ!?」と喉を詰まらせた。

 外見では解らないが彼は少年だ。

 名はエイルクといい、カーセドニック人である。

 半鉱石の体を持ち、その体の構造物質から地位が決まる。

 少年は最下層の「ダート」で、死ぬまで変わらないことに嫌気が差して故郷から逃げ出した。

「実はな……。プログラムで、ちょっとな」

「ちょっとなに?」

 ディランは小首をかしげる。

 二十五歳の男であるにも関わらず、彼なら何故だか許せるという不思議。



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