映画を見終わり、二人は寝室へ。

ベッドに入ると二人の間に微妙な隙間。

MAKIDAIは、

「もっと、こっち来ていいよ」

催促するようにそういう。

「寝返りとか、大丈夫かな?」

楓は、緊張と心配で困った顔をする。

「くっついて寝たいな」

MAKIDAIは、あまえるようにそう言って楓の枕を引っ張る。

「じゃあ、遠慮なく…」

「遠慮なくって…」

「なんか変だね、ふふっ」

楓がくっついて来ると、MAKIDAIは満足そうに笑う。

そして、MAKIDAIは肘をついて楓の横顔を見つめている。

「まだ寝ないの?」

楓が眠そうな顔でそういうと、

「ん、もう少しね。素顔の楓さんは普段あんまり見れないから」

そう言って、わらった。

「やだ、あんまり見ないで」

MAKIDAIは、楓が照れて顔を隠そうとする手を掴み、

「素顔も可愛いよ。おやすみ」

と楓の額におやすみのキスをした。

「うん、おやすみ」

楓は、少しドキドキしていたが疲れていたせいか、心地よいせいか、すぐに記憶がなくなった。

MAKIDAIは楓の寝顔を見ていると、事故の時の傷が気になった。

指先で髪をそっとあげる。

生え際のすぐ下の所に傷痕があった。

「はぁ…」

天井を見上げて大きなため息をつく。

(大切な人にこんな怪我させて…。守ってあげなきやいけないのにな)

少し切ない気持ちになってしまった。

これから、楓を守って行くために乗り越えて行く壁がいくつもある。

そんなことを考えながら、眠りにつくMAKIDAIだった。