「よしっ、じゃあそろそろ、2階の案内を」

「はい、是非」

MAKIDAIに案内されて、スタジオやトレーニングジムを順に回る。

ジムを覗くと、TAKAHIROがトレーニング中だった。

楓は、ちらりと見えたTAKAHIROにまた緊張。

「あ、MAKIさん。お疲れっす」

「おぉ、TAKAHIRO、お疲れ〜」

楓は、MAKIDAIの後ろから少し顔をのぞかせる。

「あれ、誰ですか?後ろの綺麗な人」

そう言われ肩をすくめる楓。

「この前言ってた、今俺がお世話になってる人。ね、楓さん」

「いえ、私の方こそお世話になってます。」

MAKIDAIに紹介されて、楓が前に出ると、TAKAHIROも改って、

「はじめまして、TAKAHIROです。MAKIさんがお世話になってます」

と頭を下げる。

「こ、こちらこそっ、初めましてっ」

楓は頭を下げた後、TAKAHIROの顔をじっと見つめ、

「あの、息子にサイン頂いてありがとうございました」

そう言って、にこりと笑う。

「あ、いえ、サインならいくらでも。笑顔がすごいステキですね。あ、エクボ、俺と同じっ」

TAKAHIROが楓の笑顔にやられる。

「あ、そうだね、エクボ一緒じゃん」

MAKIDAIがそう言って、楓の顔を覗き込む。

「え、エクボ?」

楓が、自分の頬に触りながら首を傾げると、

「ある、ある、ほらもう一回笑って」

TAKAHIROに言われ、ニコリとすると、

「ほら、ここ」

MAKIDAIが、楓の頬を人差し指でちょんちょんと突く。

MAKIDAIに触れられ、TAKAHIROに見つめられ、クラクラしてしまう楓だった。

「楓さん、子持ちに見えないですね。スタイル抜群、肌ツヤの良さ、エクボの可愛いさ」

「ぜ、全然、そんなことないですよ」

「楓さんは、食のスペシャリストだからさ、綺麗になる食生活してるんだよね」

MAKIDAIがそういうと、

「へぇ、そうなんすか?」

TAKAHIROが関心する。

「あ、はい。食に関する仕事をしているので、自分の食生活にも気をつけてます」

楓が、そういうと

「俺たち外食と弁当ばっかりだから、不健康だよねぇ」

TAKAHIROがそう言うと

「俺は、今楓さんに指導してもらってるから、ちゃんと気をつけてるよ」

MAKIDAIが余裕そうに言った。