「お腹空いてない?」

「あ、ちょっと空いてるかも」

「そうかなと思って、いい店見つけといたから行こ」

「あ、はい」

まるでデートにでも行くようなMAKIDAIの張り切りように楓も目を白黒させられる。

連れて来られたのは、ローフードも扱っている店だった。

店の入口に立ち楓は、

「あ、この店」

雑誌などでは見たことがある。

「そう、俺もちょっとは勉強してます。遅くまでやってるローフードの店、あんまなくて」

楓も東京のローフードの店は何軒かいったことがあるが、ここは初めてだった。

「この数週間で楓さんに教えて貰ったことをちゃんと活かしてます」

MAKIDAIがちょっと自慢気に言った。

「すごいです」

楓は、MAKIDAIの熱心さに関心した。

席に案内されると、MAKIDAIが椅子を引いてくれる。

「あ…、ありがとうございます」

(うわっ、MAKIDAIさんってめっちゃ紳士っ)

またまた、キュンとなる楓だった。

「まず、注文しようか」

メニューを広げて、二人で覗き込む。

「こんな時間だから、まぁ、軽食で」

MAKIDAIが選んだ料理を見て楓は、

「はい、そのチョイスはgoodです」

と誉める。

店員を呼び、オーダーをした後、楓はカバンから資料を取り出す。

「これ、MAKIDAIさんが送ってくれた食事をファイルしました」

MAKIDAIが受け取り、ファイルを広げると、

「えっ、マジで。すごいですね、あ、アドバイスしてくれたことも全部まとめてある」

MAKIDAIは、ページをめくりながら関心しまくる?

「これは、この3週間分のMAKIDAIさんの食事をまとめたものです。アドバイスして改善出来たところもあると思いますが、これで日常の食事の見直しを少し出来たかなってところです。まだまだ、食べて欲しい食材や、改善していただきたいところはたくさんあります」

「え、そうなの?」

「はい。でも、MAKIDAIさんにとって難しいのは手作りの食事を取る回数が少ないのと家で食べれないことです」

MAKIDAI的には、アドバイスして貰ったことでかなり改善されていると思っていたので、驚く。

「実は、世の中の色んな都合に合わせて、食が乱れているんです。簡単に言うと添加物です」

「添加物?」

「はい、今のスーパーで買い物して添加物の入っていないものを選んでいたら、食べるものがないなんてことになりますけどね」

「じゃあ、どうするの?」

「食べない訳にはいかないので、身体に入れた添加物を出す作業をすればいいんです」

「あぁ、そうか。デトックスってこと?」

「そうです」