八百屋LOVERS



そっと、店内に入ってみる。

わりと賑わっている店内は、なんとも言えない良い香りに包まれている。

あ、この匂い好きかも。

なんて思いながら、店内をグルっと回ってみる。

よく見る野菜もあれば

見たこともないような野菜もたくさんある。

それに、なんていうか。
あんまり詳しくは分からないけれど
ここのお店のお野菜は、どれもちゃんとしているというか。

形がきれいとかそうゆんじゃなくて

「美味しそう…。全部食べちゃいたい…。」

そう、思ってしまう。心の声がもれてしまうほどに。

「それはちょっと困るなあ。」
「えっ!!」

急に後ろから声がして、振り向く。

声の主であろう、男の人が真後ろで笑いながらたっていた。