「そういえば、夏樹の家の話って聞いたことないな。」

いままで、高校三年間腐れ縁でずっと同じクラスだった私たちはいつも一緒にいたし、よくお泊りとかもしてたけど…

よく考えてみると、いつも希子の家だったし、まあたまに私の家もあったけど。

「一回も夏樹の家族の話してない…。」

…あの明るい夏樹に限って、家族とうまくいってないとか、そんなことはないって思うけど
結局のところわからないから。

言わないってことは、言いたくないんだと思うから。
だから、私も希子もあえて聞かない。

でも

「やっぱり、ちょっとだけ気になるのは事実なんだよね-…。」


と、考えながら歩いていたらあっという間に家についてしまった。