「珍しい修二くんも見れたことだし…」


まだ言いますかっ‼
その話題から離れて下さいよ。


「気を取り直して、紹介するね。たった今
物凄く可愛い反応を見せてくれたのが、
勤務歴4年目で教育大生の神山 修二くん。
うちで一番のベテランで、ホール兼キッ
チン担当…凄く頼もしくて仕事が出来る子
です」


気を取り直した割りに、始めの前説が先程の俺の様子を盛り込んでくる辺り…
オーナーのツボにハマったらしい。
その事を突っ込めば、更に俺が追い討ちをかけられるのが目に見えているので、そこには触れずに反論するも…


「…オーナー、22の男に出来る子はないです
よ…せめて出来る男って言ってもらえたら
…」


少しはさっきの恥ずかしい態度も帳消しに…


「さっきのことが薄れる?」


爽やかな30代イケメンの笑顔に、
どこか意地悪さを含んだ眼差し。俺の考えなど見越して、
大人の男の余裕さも感じる。


普段慌てず騒がずの俺が見せた、しかも女性に対する態度とあまりにテンパり過ぎるのが面白いのか…
今日のオーナーは突っ込み満載だ。


隙を見せた俺が悪いのだが。