可愛い子ね…
そりゃ、俺だって男な訳で…
可愛い子と過ごせるなら過ごしたい。


──が、時間と金に余裕がないのが現状。
両親に無理言って、夢の為に地元ではない大学を志望し、一人暮らしのため仕送りまでして貰ってる。
そんな身分で、身勝手な振る舞いはしたくない。


それに、もうすぐ4年目に突入するこのバイトが好きなことも、女の子と過ごすより、俺には重要なこと…
いわば生活の一部となっている。


男として、例え潤いがなくても…
日々充実していると、胸張って言える。


木村みたいな、刹那的な恋愛じゃなくて…
自分にとって、めちゃくちゃ大事って思う人と、恋がしたい。


男の癖に、夢見がちって自分でも思う。
木村に言おうものなら、
ゲラゲラ笑われる予想がつく。


そんなことを考えながら、猛ダッシュのお陰で10分前にはバイト先に着いた。