【side 修二】


午後の講義を終え、帰り仕度を急ぎながら時計を確認する。


ギリギリ間に合うかな…


そんな俺の様子に友人の木村がにやけながら話し掛けてくる。


『やけに急いでんね?これからデート?」


「…お前と一緒にするな、バイトだよ」


俺の返答に、わざとらしく溜め息をを吐きながら…


「どんだけ勤労青年な訳?たまには可愛 い
い女の子と過ごして潤わないと、干から
びるぞ」


万年発情期、来るもの拒まず、去るもの追わず…潤いっぱなしのこいつに、『たまに』とか言われもな…
説得力皆無──


心の中の感情は口に出さず、


「可愛い子と過ごしたって、腹は膨れない
だろ?じゃ、また明日な」


そう言って立ち上がる。



「相変わらず冷めてんな…」


背中に木村の呟きが聞こえたが、返事してる時間もないので、無視してバイト先へ向かう。