と、そこで最早猶予はないとばかりにけたたましくアラームが鳴る。行かなければ、と自制の意味を込めて立ち上がる。

顔を洗い、髪を纏めてウィッグを付ける。寝間着にしていた服を乱雑に脱ぎ捨てながら、段ボールの中から保冷バッグを取り出し、中に入っていたヨーグルトを一つ取り出す。

それを三口だけ口に運び、あとはゴミ箱に中身が入ったまま放り捨てる。食べ物を粗末にしてはいけないことを知っていながら、朝は何も食べる気がしないし、後で食べることもないから仕方なくそうしているのだ。

掛けてあったシャツに腕を通し、ニーソに足を通してからスカートを履き、ジャケットを着込んでから身支度を済ませる。

簡単に歯を磨いてから時計へと目をやると、既に時刻は8:15という無機質な数字が現れている。

鞄を手に取り、玄関に揃えていたローファーへと足を突っ込んで、爪先を軽く打ち付けてフィットさせる。半ば突進するように外へと雪崩出ると、その予想以上の眩しさに目を細めて立ち止まってしまう。