何故か?
『沖田総司』に会って、胸を張って「好きです」と言える時が来ると信じているからだ。

先生達やクラスメートからは「馬鹿」だと思われている。だが、友香はそれほど沖田総司が好きなのだ。

「おはよ、友香」

学校に着くと早速クラスの一軍の人達が気味悪い笑みを浮かべ、友香に絡んでくる。

「……おはよう、真依」

友香は面倒臭そうに目線を向ける。
その相手は倉元真依(くらもとまい)、一軍のリーダー的存在だ。

「席に着きたいんだけど」

覇気の無い声で言う。
その声を聞いて、真依はクスッと小さく笑った。

「良いよ?どうぞ」