蛍。

それは月明りに照らせれて。
でも自分の力で輝く。

そんな人になるようにって
名付けられた私。
月谷蛍(つきだにほたる)
高校3年生。


進路先も決まり、もうすぐ冬が終わる。

「もうすぐ卒業か…」

しんみりとそう呟くと後ろから
背中に衝撃が来た。

「いった…もう!蛍のバカ」

口ではそう軽口をたたくけど
その人物を見るたび心臓はせわしく
動き続ける。

蛍『元気付けてやったんですけどー』

そう言ってニシシと歯をのぞかせた。
夜島蛍(やじまけい)

私のクラスメイトであり
私の好きな人。
でもきっと蛍は私の事なんて…
ただの相談相手としか思ってない。

私、いつも笑ってるけどホントは…
泣きたいんだよ。蛍。