それにしても、こんなすぐにヒューを捕捉できたのは幸運だった。

とはいえ、今すぐ仕掛けるのは得策ではない。

ヒューには私兵部隊がいるが、Disposableはたった4人しかいないのだ。

ここで直接行動に出るのは無謀すぎる。

「な、そうだよな、バニング」

確認を取るようにジェイソンが言うが。

「……」

バニングから返事はない。

彼は茂みに身を潜めたまま、手にしたノベスキーのグリップを強く強く握り締める。

「…早速仕事だそうだ。腹を括れ」

覚悟を決めたように呟くジェイソン。

「ウチのリーダーは分の悪いギャンブルがお好きなようだ」

M4カービンのセイフティを解除するニコライ。

「バニングが熱くなったらサブリーダーの私の指示に従って」

ハルが最終確認を行う。

「よし」

バニングがノベスキーを掲げた。

「行くぞ、お前ら」