Disposable Destruction

「その為にお前を雇った。わかるな?」

ヒューは傍らに立つ男を見た。

大柄な男だ。

185センチはあるだろう。

逞しい体躯で、穏やかな顔立ちをしているが、その眼の奥には強い眼光を宿している。

ヒューはこの男に、人の皮を被った野獣の印象を受けた。

アラン・キンブル。

それがこの男の名前だ。

茶色の髪、同じく茶色の瞳。

国籍、年齢共に不明。

奇襲や後方撹乱、偵察などを目的に、比較的小規模な戦力を運用する某国のコマンドー部隊現地指揮官として各国を転戦していた。

現在は除隊し、傭兵を営んでいる。