引き抜いたナイフを納めながら。

「生きて帰れそうか」

ジェイソンが瓶のビールを差し出す。

「…無理についてくる事なかったんだぞ」

ビールを受け取り、バニングは呟く。

様々な依頼を受けてきたが、今回の作戦は一番厳しいと考えている。

Disposableの手の内を全て知り尽くした元メンバー。

顔見知りという事を差し引いても、やり辛い相手だ。

「何人かは…死ぬかもしれない。それがお前かもしれないし、俺かもしれない」

バニングは偽らざる本音を口にした。

本気でそう思っている。

戦闘に入る時は、いつだってそう思う。

今まで生き残ってこられたのは、全て運がよかっただけに過ぎない。

それでも。

「アンタみたいな不器用な奴には、ダチが必要だ」

臆面もなく言うジェイソン。

バニングはそんな彼と、瓶を重ね合わせた。