そのダーツボードに。

「!」

数発の45ACP弾が撃ち込まれる。

その狙いは正確だ。

バニングの突き刺したスローイングナイフが、射撃で弾かれる。

…撃ったのはジェイソンだった。

彼が常備しているセカンドアームのコルトガバメントによるもの。

見事な早撃ちだった。

「ナイフ使うなら、拳銃を持ち歩いた方がいいんじゃないか?スピードで劣る」

「なぁに、光より遅いだけだ」

そう言って、バニングはボードに突き刺さったままのナイフを引き抜く。

「負け惜しみ言うなよ、ナイフよりは速いに決まってる」

ダークのスーツの内側にコルトガバメントをしまうジェイソン。

以前、依頼が終わってメンバーで飲んでいた時、余興でジェイソンの早撃ちとバニングのナイフ、どちらが速いか競った事がある。

結果はまさかの引き分け。

バニングのナイフは、本当に拳銃とも互角に張り合えた。