HU-16水陸両用飛行艇の格納庫、その片隅。

壁にかけられたダーツボードに、次々とナイフが突き刺さった。

その切っ先は全て、ボードの中心に刺さっている。

大した精度だった。

…ナイフを投げているのはバニング。

彼は着ているデニムのベストのポケット内側に、ホルダーに納められた小型のスローイングナイフを隠し持っている。

それを投擲して、敵を刺殺する。

スローイングナイフとは別に、腰のベルトには大振りのアーミーナイフ。

これはグリーンベレー時代から愛用している、彼のお守りのようなものだ。

バニングは弾薬が尽きたり銃を失った時は、これらを切り札として使用する。

今回の作戦で、追い詰められる事もあるだろう。

バニングは己のナイフの腕前を、再確認していた。