手術そのものはたったの30分で済んだが、ギータは3週間も入院するはめになった。

目覚めた時、まだ何もされていないような気がしたが、既に手術は終わっていた。

それから腎臓代として20万ネパールルピーを支払ってもらって村に帰り、土地と家を買った。

しかし不幸な事に、ギータが自分の腎臓を犠牲にして手に入れた家は、ネパールを襲った大地震で倒壊してしまった。

この災害のせいで、多くの村人が家を失い、悲しみを紛らわせる為にアルコールに溺れる結果になってしまった。

そんな状況でも、臓器売買だけが繁盛し、ネパールを腎臓バンク化してしまったのだ。

臓器売買はネパールでも違法である。

にもかかわらず毎年、凡そ1万の闇市場が7000もの腎臓を取引しているという。