そして、襖が開くと同時に飛び込んでくる歓声。
「うわぁ~、本当だ。お隣さんだ! お引越しの時以来ね。お久し振り」
204号室さんだ。小柄でちょっぴり太めの彼女は、すでにパジャマ姿だった。
ノーメイクの丸い顔が、電灯の光でツヤツヤ光っている。
その顔がクチャと笑む。
これこそベビーフェイス! 可愛い。
羽織ったジャケットを脱ごうとし、手を止め、コタツに足を突っ込む。
「夢ちゃん、おコタの電源入れていい?」
ブルッと震え、返事も聞かず、スイッチを入れる。
「梨子ちゃん、そんな恰好で来るから寒いのよ」
「だって、もうベッドの中だったんだもん」
タコ唇でプッと頬を膨らませる。
ウワッ、本当、何なんだこの可愛い生き物は!
「そうやっていると、全然、三十三歳には見えないわ」
ウソッ、三十路さん! どう見積もっても女子大生にしか見えない。
ある意味、美魔女?
呆れ顔の要子も梨子に習い、コタツに足を突っ込む。
そして、突然、ピンクの吐息を吐く。


