痛快! 病ンデレラの逆襲


で、今日も私はド派手で真っ赤なランボルギーニの助手席に座っている。

初めてこのスーパーカーを見た時、この跳ね上がるドアは何? 未来のロボット? と本気で思った。

「社長、この車、どうにかならないでしょうか」

私としては、こんな派手な車じゃなく、ごく普通の車にしませんか? の意味を込めたつもりだが、このお方には伝わっていないようだ。

「何だ、飽きたのか? 他のを買おうか? 例えば、そうだフェラーリとか」

何故、私に聞く!
何故、スーパーカーから離れぬ!
それに、それは超の付く高級車だ。
なのに何故「大根でも買おうか」ぐらい簡単に宣う?

社長、私の方こそ気が遠くなりそうです。

「ですから、そんな無駄遣いしないで、貯金しましょう。貯金!」

真っ当な私の意見の何が気に入らないのか、社長は不服そうな顔で眉間に皺を寄せる。

「お前は分かっていないな。金は使うためにある。知らないのか? 貯め込めば貯め込むほど金が腐るのを」

金が腐る? なまもの?