「うぅ…。だめだ、気持ち悪い…」


人の渦となれない環境で私はその場でうずくまってしまった。


どうしよう。

学校までの道もわからないし、このままじゃ遅刻しちゃう。

それに、とにかく気持ち悪い。

もともと貧血気味だったから、この状況は私に毒だ。


うずくまる私を、人々はチラッと見ては、見て見ぬ振りをして忙しそうに歩いていく。

「あー、村だったらみんな助けてくれたのに…。

お母さん、お父さん。だいき。

あー、戻りたいよー。」




思い出すと涙がでてくる。

ついこの前までの出来事が、遠い昔のように思える。